釘づけ

肌にまとわりつく夏
電線に絡みつく月
バス停、国道の風

歩道橋を上れば
少しだけ世界を見下ろせるような

理科室の黒い机
鉛色の落書きで主張しようとしていた
誰かの視線を気にしながら

疲れたから今日は全部
エスカレーターにしよっかな
疲れてたどり着く君の部屋は蒸し暑い
君はまだ帰っていない

勝ちたいと思いながら糠に釘をさす日々を
あといくら繰り返せば
誰かの目に釘をさせるの

横断歩道
黒髪揺らして走り渡る少女たち
制服にくくりつけられても
なお眩しい生命の躍動

理科室の黒い机
鉛色の落書きで主張しようとしていた
誰かの視線を気にしながら

勝ちたいと思いながら糠に釘をさす日々を
あといくら繰り返せば
誰かの目に釘をさせるの
誰かの心を撃ち抜けるの

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