教室は夏にさしかかっていた
下敷きで風を送り
噛み殺した欠伸が涙に変わる午後
自由なんて作ろうと思えば作れるの
勇気がないだけなの
頬杖つくだけの緩やかな反抗期
どこまでも行ける年頃
A4サイズの私の嘘は
夢に紛れて 後ろから回収されてゆく
風に膨らむ白いシャツ
紺色のスカートなびかせ
その柔らかい皮膚の下に
私たちは熱い血を漲らせていた
空っぽの自転車置き場
黒板はもう明日になって
夕日のスポットライト 私を照らす
グラウンドと視聴覚室と
制汗剤の匂いにまみれた
どこまでも美しき私たちの時代
風に膨らむ白いシャツ
紺色のスカートなびかせ
その柔らかい皮膚の下に
私たちは熱い血を漲らせていた
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